KITIの家づくりを支える「CNC加工」が持つ魅力

今回ご紹介するのは、KITIの建具や家具作りにも活躍してくれる「CNC加工」です。複雑な曲線などもきれいに再現できるので、デザイン性の高い家具や建具を手軽に住まいにとり入れることができます。今回は、KITIが手がけた事例を交えながらCNC加工の魅力を探っていきましょう

CNC加工とは

CNC加工(Computer Numerical Control)とは、コンピューター数値制御技術を使って製品や部品を加工する方法です。

CADという設計ソフトで作った図面を機械に読み込ませると、コンピューターが機械や工具の動きを指示して自動で形を作ります。

金型・電子部品・自動車部品・建具・家具など、高度な加工技術が求められる分野で幅広く使われている技術です。

CNC加工の魅力1:デザインを忠実に再現

CNC加工の魅力は何と言っても、PCで描いたデザインを忠実に再現できる点です。「ショップボット」という特殊な機械を使い、コンピューターの指示に従って細かい曲線や直線を刻んでいきます。複雑な形状でも、安定した品質で加工できるのが魅力です。

CNC加工の魅力2:生産効率アップ

かつては木材などの複雑な加工は、大工さん・家具屋さん・建具屋さんといった熟練の職人さんたちが、手作業で行っていました。CNC加工を使えば、あらかじめ切り出した部材を搬入し、現場では組み立ててビスで留めるのみ。作業効率がアップし、コスト削減にもつながります。

私たちが手がけた物件でもCNC加工を使うことにより、一定以上のクオリティを持つ家具や建具の製作が可能となりました。ここからは、KITIの実例の中から、CNC加工を家具や建具に採用した例をご紹介します。

Case#01 曲線・直線にも対応するCNC加工で作る家具

こちらは23㎡の賃貸アパートをリノベーションした事例です。台形状の間取りという課題を、玄関からリビングまで壁に沿って1枚板を設置することで解消。生活のさまざまなシーンに活用できる家具を作り上げました。

リノベーションの詳細はこちらのブログをご覧ください。

小さな家で、心地よく暮らす20平米ワンルームのリノベーション集

この1枚板を作る際に使ったのがCNC加工です。工場にて曲線を作り、現場に運び込みました。居室部分に伸びる板は、ベッドとして利用しています。

また、こちらの建具も、CNC加工で作ったオリジナルのデザインです。現場では加工済みの部材を設置するのみ。現場でのゴミも最小限に抑えられ、工程も少なく済みます。

事例 | 一枚板の家Ⅱ

Case#02 美しい曲線を描くR壁とキャットウォーク

ブログでご紹介した、先日竣工の「猫と人が暮らす家」をテーマにしたマンションリノベーションのプロジェクト。

リノベーションの過程と猫トンネルの作り方はこちらの記事をご覧ください。

“KITI”づくり ~【マンションリノベ編2】究極の猫部屋を目指して~

“KITI”づくり ~【マンションリノベ編2】究極の猫部屋を目指して~猫トンネル編

こちらのリノベーションでも、CNC加工技術が活躍しました。CNC加工で作ったのが、曲線を描く壁の上にあるキャットウォーク部分です。

壁の上にある曲線の木のパーツは、平らな木材を丸く切削しなければなりません。従来は手作業で加工をしていたので、きれいなカーブを描けるかどうかは職人さんの腕次第。
今回はCNC加工を使うことで、設計者が図面に起こした通りの美しいデザインを効率よく表現できました。

CNC加工は、デザインの自由度と製作の効率化、そして品質の均一化を実現できる技術です。建築業界においてもCNC加工が広まっていくのではないかと考えます。