都会的なセンスと実用性を兼ね備えた住まいづくりに挑戦したのは、世田谷に暮らすご夫妻のマンションです。築55年、66平米の住まいを、お二人の理想的な暮らしを実現するためのリノベーションプロジェクトが始まりました。
光と風が巡る都会の住まい – 66㎡のスタイリッシュな住空間へのリノベーション
週末のホームパーティを楽しむための空間設計
お二人の生活スタイルに組み込まれているのが、週末に友人たちを招いて楽しむホームパーティです。この要望に応えるため、明るく開放的なLDK空間の確保が最優先課題でした。
そこで、東・南の2面にバルコニーを持つ既存物件の特性を活かしメインとなるLDKを南側に配置。自然光を取り入れた明るい空間を実現させました。
66平米の空間で生まれた収納アイデア
ファッションを楽しむご夫婦にとってもう一つの大切な要素が衣類収納です。東側と南側のバルコニーがLDKにじゅうぶんな光を取り込む期待ができる一方で、もともと浴室だった北側は小窓からさし込む光だけが頼りでした。
LDKを南側に優先的に配置すると、寝室・収納・水周りは北側の薄暗い空間だけで構成することに。そのため、いかに効率的な収納空間を確保するかが課題でした。
そこで、設計チームは従来の個室型プランニングを見直し、寝室と収納を一体化させるアイデアを提案。一室の中にベッド・収納・書斎を壁を作らずにまとめ、さらにその奥に小窓と浴室を設ける構成としました。
ベッドはLDKに接するように配置し、室内窓を設置。寝室空間にLDK越しの自然光を取り入れることが可能となり、同時にじゅうぶんな衣類の収納スペースも確保することができたのです。
室内窓から奥の小窓まで空気が抜けるようにしたことで、室内に湿気が溜まり、ご夫婦の大事な洋服を傷める心配もありません。
機能性とアイデアの融合
注目はクローゼットの配置です。ダイニングからの室内窓越しにお気に入りの服を眺められるよう工夫して、まるでギャラリーのように洋服を楽しめます。
また、キッチンは対面式を採用し、パントリーから玄関までの動線に回遊性を持たせることで、ホームパーティ時の利便性を向上。玄関近くにトイレと専用手洗いを設置するなど、来客への配慮も忘れていません。
スタイリッシュなお二人のこだわりが詰まった家
内装材には、アカシアのパーケットや躯体現しの天井など、力強い質感を持つ素材を採用しながら、全体的に明るい白で統一することで、メリハリのある空間を演出しました。
限られた面積の中で、暮らしやすさと美しさを両立させたご夫婦の家。週末にはご友人たちと過ごし、平日はお二人の趣味や仕事に没頭できる空間として、新たな暮らしの舞台が誕生しました。