今回は、マンションの1LDKをゆったりとしたワンルーム空間へとリノベーションした事例をご紹介します。用途地域の境界に位置するこのマンションの高層階からは、東京の景色を一望できます。デザインのお仕事をされているお施主様はこの眺望に魅了され、ご自身が納得のいく空間で職住一体の暮らしを実現したいと望まれていました。
リノベーションの過程はこちらのブログもご覧ください。
職住一体リノベーション:最上階からの眺望を楽しむ家
広がりを感じるワンルーム空間を作り出す

私たちは40平方メートルの空間を、白を基調として可能な限り広く感じられるようなワンルームとして設計することしました。
2つの掃き出し窓の間にあった間仕切り壁を取り払い、最大限の眺望を確保。また、既存の水回りの壁を撤去し、ユニットバスを極力壁側に配置することでキッチン空間を広く確保しました。
水回りとキッチンは機能的に再構成

水回りは既存の位置に合わせてトイレと洗面所を一体化するなどコンパクトにまとめ、小ぶりのキッチンは使いやすくもコンパクトに動けるL型キッチンへと生まれ変わりました。
可変性のある職住一体空間の工夫

職住一体の空間としての工夫として、カーテンの間仕切りを設置しています。カーテンの内側はデスクスペースとベッド空間になっており、お客様がいらした際は隠せたり、仕事とリラックススペースを分けたりできる可変性のある空間にしています。
ミニマルデザインへのこだわり

また極力ミニマルでシンプルな空間を目指し、扉などには把手をなるべく付けず、クローゼットの観音扉には小さな引手を片側のみに取り付けることに。
サニタリーの扉はカンヌキ錠のみとしてプッシュラッチを採用するなど、可能な限りシンプルな白い空間を追求しました。カンヌキ錠を起点としてすべての金物を決めています。
スタイリッシュな照明計画

カーテンボックスの上部には間接照明を設置。Bluetoothで調光・調色設定できる器具を選定し、壁には調光調色のスイッチが見えないよう配慮しました。
快適な空間を生み出す間接照明デザイン:職住一体リノベーション
このリノベーションは将来の再販も視野に入れており、使い勝手を考えた寸法設計をしながらも、ところどころにお施主様独自のご要望を取り入れています。「誰もが住みやすい」という一般的な発想以外に、「琴線に触れる方」に共感していただき暮らしていただければという思いで作りあげた空間です。