民家に光と風を通すガラスのブリッジ~光と記憶の住まい~新宿区四谷のリノベーション~

四谷坂町での戸建てリノベーションで、私たちは建物の歴史を語る古い柱と梁を活かしながら、現代的な機能性を備えたブリッジを作り上げました。今回は、古い建築要素を活かしつつ、新しい住まい方を提案する試みについてご紹介します。

リノベーションの過程はこちらのブログもご覧ください。

光と記憶の住まい~新宿区四谷坂町のリノベーション現場レポート~

安全性と断熱性を両立させる工夫

当初は手すりのあるオープンなブリッジを計画していましたが、お子さまの安全を考慮すると、手すりの高さが課題でした。また、リビング空間の気密性を高め、冷暖房の効率を上げるためには、光庭や吹き抜け部分からの熱の逃げを防ぐ必要があります。

そこで私たちが選んだ解決策は、ブリッジの側面を床から天井まで全面ガラスにすることでした。この方法により、落下防止の安全性と空間の気密性を同時に確保することができたのです。

シンプルながら美しい納まり

施工の納まりはとてもシンプルです。塗装された壁側にはアルミアングルを壁内に埋め込み、既存の柱側には押縁としてナラ材を設置しました。上部の梁は自然の風合いを残した丸太のような形状をしている部分もあるため、ガラスの上部には少しだけ隙間を設け、ガラスが割れないような逃げを確保しています。

古いものと新しいものとの調和

全面ガラスのブリッジは機能性だけでなく、意匠としても大きな役割を果たしています。透明なガラス越しに見える古い柱と梁が、より象徴的に映えるようになったのです。この空間は、古い建物をリノベーションした記憶が残る、家の中の特別なスポットです。

このように、安全性や断熱性といった現代の住まいに求められる機能を確保しながらも、古い建築の魅力を最大限に引き出すことができました。