都内の大規模集合住宅プロジェクトで、経験豊富な大手設計事務所を相手に若手チームが挑んだ建築コンペ。独創的なアイデアと綿密な提案で乗り越えた挑戦の記録をお届けします。
若手チームに舞い込んだ大きな挑戦

北区西ヶ原での大規模集合住宅のコンペに、若手設計事務所の株式会社もなかから協力の依頼を受けました。
その内容は、1,300㎡を超える敷地に店舗と集合住宅が融合する延床面積5,000㎡超の建築物を提案するという大がかりなプロジェクトでした。
経験を補完し合うチーム編成
今回のコンペは、独立前からの信頼関係があったディベロッパーから指名を受けました。しかし、若手チームは集合住宅の経験があまり多くありません。
そこで、集合住宅の実績が豊富なKITI伊藤と、もなかの設計チームとの設計共同体を結成。互いの強みを活かしながら、事業主への信頼感を高める態勢を整えました。
実績の差を埋める独創的な提案
今回のコンペは3社指名でその競合は手強く、私たちの他の2社は多数の共同住宅実績を持つ組織設計事務所と、デザイン性に定評のあるベテラン建築家による設計事務所。
実績面での不利は否めませんでしたが、私たちは創造力とアイデアで勝負に挑むことにしました。
敷地を活かした大胆な設計アプローチ

敷地の特性を活かし、二面道路という条件を逆手に取った私たちの提案は、通常1〜2方向に限られる開口部を3面に広げる大胆な設計でした。廊下の配置を工夫することで、住戸からの眺望を最大限に確保します。

さらに、地上から高層階まで緑を連続させる計画や、将来の用途変更にも対応できる柔軟な店舗設計など、細部まで配慮した提案としました。
プレゼンテーションの結果は

プレゼンテーションでは、通常の1/200〜1/100スケールではなく、1/100という精密な模型を製作。その迫力ある完成度は、事業主からも高い評価を得ることができました。
結果発表では、予想を覆して私たちのチームが1等を獲得!
残念ながら事業収支の問題で計画は実現に至りませんでしたが、この規模のコンペでの勝利は、チームにとって大きな自信となりました。
新たな挑戦への第一歩
異なるバックグラウンドを持つメンバーとのプロジェクトは、新しい視点や進め方が見えてとても新鮮でした。この経験を糧に、今後も従来の枠にとらわれない挑戦を続けていきたいと考えています。
建築設計の世界では、ときとして実績や経験が大きな壁となりますが、創造力と緻密な提案力があれば、その壁を越えられることを、このプロジェクトを通じて教えてもらいました。