リビングは、家族が長く過ごすぶん、ものが集まりやすい場所でもあります。
テレビまわりの機器や書類、子どものおもちゃ、季節のものなどは、気づくと出しっぱなしになってしまうものも多く、片付けやすさを考えるうえでは、収納量だけでなく、どこにしまえるかも大切です。
KITIでは、壁面やヌック、小上がりなど、空間の一部に収納を組み込むことで、リビングをすっきり使えるよう工夫しています。
今回は、3つの住まいを通して、片付けやすいリビングのつくり方をご紹介します。
壁面を活かしてリビングのものをまとめる|押上の家

押上の家では、テレビの両側に大きな壁面収納を設けました。
リビングは、家電まわりのものや日用品など、細かなものが集まりやすい場所です。
そこで、テレビまわりに収納をまとめることで、使う場所の近くにしまえる構成としました。
収納扉を閉じれば、壁面の一部のようにすっきりと見えるのも特徴です。
収納家具を後から置く代わりに、空間と一体で計画することで、収納量を確保しながらリビングの印象も整えています。
ヌックの下を大容量収納に|堤通の家

堤通の家では、リビングの中心に設けた大きなヌックの床下を収納として活用できるよう設計しました。
このヌックは、子どもが小さいうちはおもちゃを広げて遊ぶ場所です。
よく使うおもちゃは、子ども自身でも出し入れしやすいよう、ヌックまわりの引き出し収納へ。遊び終わったあとも、その場で片付けやすい構成になっています。
一方で、季節の寝具や使用頻度の低いものは床下収納へ。
日常的に使うものと、ときどき使うものを分けてしまうことで、必要なものを取り出しやすく、リビングにものが広がりにくくなります。
「過ごす場所」と「しまう場所」を重ねながら、使う頻度に合わせて収納場所を分けることは、限られた面積を有効に使うための工夫です。
小上がりを収納として活かす|町田の家

町田の家では、玄関横の小上がりの床下を大容量の収納として計画しました。
床を一段高くすることで、その下に収納スペースが生まれます。
季節用品や、日常的には使わないものをまとめてしまえるため、居室側に収納家具を増やさずに済むのも利点です。
また、リビングにも小さな小上がりを設けています。
腰を掛けたり、くつろいだりできる居場所として使いながら、その下にも収納を組み込むことで、空間を無駄なく活用しています。
片付けやすさを収納の場所から考えてみる

私たちは、片付けやすいリビングは、収納をたくさん設けることだけが答えではないと思っています。
そのため、使う場所の近くにしまえることや、空間の一部として収納がなじむこと、また、暮らし方に合わせて必要なものを受け止められることなど、さまざまな方面から考えたリビングをご提案しています。
壁面、ヌック、小上がりなど、それぞれの場所に役割を持たせることで、リビングは自然と整いやすくなります。
KITIでは、収納を家具として足すのではなく、住まいのつくりそのものに組み込みながら、暮らしやすい空間を考えています。
写真:貝出翔太郎