“KITI”にするリノベ 野縁の家編02細部のこだわりが光る内装の仕様

前回のお話はこちら「“KITI”にするリノベ 野縁の家編01安心安全をつくる構造面の補強

以前ご紹介した「野縁の家」の戸建てリノベーション。

今回はこだわりの内装について、詳しくご紹介していきます。

ここは野縁の家のリノベーションのなかでも肝になる部分なので、ぜひご覧ください!

小さい家で最大限の室内空間を叶える工夫

せっかくリノベーションをするのだから、以前の住まいよりも快適であるべきだ。

そこで構造設計の方と協力し、小さい家でも最大限の面積を確保する工夫をしました。

隣家に向かっていた窓は視線が気になるので、思い切ってつぶすことに。

窓がないぶん外周面が増える→室内の柱が減らせる→広々とした空間を叶えました!

穏やかに光を拡散させる光天井

次なる課題は、住宅やアパートに囲まれて光が入りづらいこと。

そこで天窓とハイサイドライトを設け、上から光を取り入れる工夫をしました。

しかしただ天窓を設けるだけでは、「明るい空間」と「暗い空間」がハッキリと分かれてしまいます。

半透明のポリカ素材を使った「光天井」にすることで、空間全体に柔らかく光を届けられるようにしました。

この光天井は作品名にもなっている「野縁組み」を再構成してつくったもの。(※野縁組み:天井材などを支えるための骨組み)

通常、野縁は天井裏に隠れてしまいますが、野縁組みと野縁の間に天井材を挟み込む構成としました。

職人が手掛けた華奢な木製ガラス戸

そしてリビングとキッチンを区切るのが、職人さんにお願いした木製ガラス戸。

天井の野縁が30mm×40mmの細い材なので、建具もこれに合わせて30mm×36mmで作ってもらうことに。

極限まで細い材で組んだ華奢なガラス戸によって、室内にほどよい緊張感が生まれます。

窓サッシの存在感を消して開口部を美しく見せる

西側は駐車場になっていますが、それ以外の三方は建物で囲まれた土地。

建物に面したところからの採光は期待できないため、開口部は西側と北側の一部で確保しなければなりません。

そこで、開口部にも一工夫。窓のサッシを見えないように納めることで、外の環境を身近に感じられるようにしました。

造作家具で細部までこだわりで満たす

今回は建物の意匠に合わせて、さまざまな家具を制作しました。

ダイニングテーブル、座卓、収納つきのTV台、本棚、キッチンの作業台など……

既製品の家具もステキですが、建物の形に合わせたオリジナル家具を設置することで、無駄なスペースをなくして空間にも統一感が生まれます。

居心地のよい空間は、小さいけれど細やかなこだわりの蓄積でつくられている。

それが伝わる事例だったのではないでしょうか。

こちらのブログでは定期的に、私たちKITIが手がけたリノベーションについて詳しくご紹介していきたいと思います。ぜひ空間づくりの参考にしてくださいね。