家のモノをただしまい込むだけではなく、どこに・どのように収納を配置するかによって空間の印象は大きく変わります。今回は、梁や壁、カップボードなどに工夫を加えた「映える収納」のアイデアをご紹介します。
梁の側面を活かした「見せ棚」で空間に重心をつくる

天井に伸びる梁の側面に飾り棚を設けることで空間の重心が上がり、視線が上に向くことで空間に奥行きをもたらします。
お気に入りのアートや植物を並べれば、視覚的なリズムが生まれるほか、天井が高く感じられる視覚効果もあり、空間全体の洗練度がアップします。
ベンチと一体になった飾り棚|一体感のある家具構成

壁際のベンチと連続するように飾り棚をつくると、家具全体に連なりが生まれ、視覚的に気持ちの良い空間に。

見せたいもの、収納したいもの、くつろぐ場所。これらを一つのラインにまとめることで、暮らしが自然と整っていく感覚を味わえます。
カップボードはお気に入りをディスプレイする場に

カップボードは、ただ収納するだけの家具ではありません。
そこにお気に入りのコーヒー器具や器を並べるだけで、日常がぐっと豊かに感じられるものです。とはいえ、アイテムの選び方や見せ方にはセンスが問われるため、やや上級者向けのスタイリングといえるでしょう。
隠す収納は壁と一体にして圧迫感ゼロに
どうしても隠したい日用品や生活感のあるものは、壁面に埋め込んで収納するのがおすすめです。
白い扉と壁がフラットにつながるようデザインすることで、収納の存在感をゼロに抑えられます。今回は既製品の収納キャビネットを用いることで、コストパフォーマンスにも配慮しました。機能と美しさを両立させた、賢い収納のかたちです。
リノベーション設計において、既存の梁の扱いは空間の美しさの重要なポイントになります。ここでは梁の位置と収納の位置をそろえ、梁と収納が連続してつながることで壁のように見せています。
無作為に配置された収納ではなく、構造と一体化させたような計画性のある設計が、洗練された印象をもたらします。収納は単なる機能ではなく、空間を演出する建築の一部です。そんな考え方が、住まいの質を底上げしてくれます。