伊藤・安齋が担当した、Camp Design inc.在籍時の竣工物件。再建不可能の土地に建つ戸建て住宅のリノベーション。住宅密集地に建つ当物件は、西側以外の他の面はすべて建物に囲まれており、採光が確保しづらい土地だった。
そこで2Fのリビング天井に柔らかく光を拡散させる、ポリカーボネート板を採用。より自然光を取り込むために、新たに天井裏にトップライトと、西側にハイサイドライトを設け、光あふれる空間へと変化させた。
またキッチン作業台・座卓・TV台、本棚など多くの家具を作成し、小さいながらも統一感のある空間を演出した。
以下Camp Design inc. のHPより抜粋
再建築不可の土地に建つ戸建て住宅のリノベーションである。既存家屋の形状を維持して、基礎補強から全面的な耐震補強を行い、耐震性能そして環境性能を新築同等まで引き上げている。
周辺が建て込んだ場所であることから、特に2階の採光を確保することがポイントとなった。かろうじて西側は駐車場で開けていることからハイサイドライトを設けて、あとはトップライトを入れて上部から光を取り込んでいる。しかし、それだけでは局所的な明るさを得るだけになるので、天井面を半透明ポリカーボネート板を用いた光天井にして、部屋全体に光が行き渡るようにしている。
光天井は、野縁組の構成を組み替えてつくっている。野縁受けの下に野縁を流して天井材を貼る一般的な構成に対して、野縁受けと野縁の間に天井材を挟んでいる。また2階を中央で仕切る木製ガラス戸は、野縁材と同等の細い材で組んだ框戸にしている。これは我々が以前設計した「東松山の住宅」で製作し、自社運営の建具メーカー「戸戸」で製品化している「木枠建具」という、見付けがわずか30mmで見込みを60mmにしている木製ガラス戸を、より華奢にしているものである。この極限まで細い框戸と、野縁組を再構成した光天井によって、光に満たされる家へと生まれ変わった。
野縁の家
分類:リノベーション
案件分類:設計
主用途:専用住居
構造:木造
規模:地上2階
延床面積:50.07㎡
共同設計:Campdesign