“KITI”な建築家の家づくり~配筋検査~

今回は家づくりの中でも、普段は目に見えない「配筋」にスポットライトを当ててお話をします。

少々小難しい話になるのですが、安全のために見えない部分にも気を使っているのだと知っておいてもらえると幸いです!

設計チームが設計・管理する“RC造”とは?

我々KITIの設計チームでは戸建て住宅やマンションリノベだけでなく、RC造の共同住宅の設計・監理も行っています。

RC造とは、主に柱・梁・床・壁が鉄筋とコンクリートで構成された構造のことです。

RC造の共同住宅は、木造やマンションリノベとは工事の工程が大きく異なります。
木造は鉄筋コンクリートで基礎を作ったあと、木材で柱や梁などベースを作り上げます。

一方RC造は鉄筋を組んでから型枠で囲み、そこへコンクリートを流し込み、ベースを作るのです。
RC造も2種類あり、柱と梁で構成し床をかけたラーメン構造、壁だけで構成された壁式構造があります。

建物の安全のために必要な設計

我々は設計の立場なので、図面上に構造設計とともに「ここには〇㎜の厚みの壁が必要」や「この大きさの柱や梁が必要」などと記載していきます。

ただし、鉄筋はただ中に入れておけばいいわけではなく「配筋」といって、構造計算によって数量や配置を変えなければなりません。

設計時に構造設計から「この太さの鉄筋を何本ここに入れる」と指示する図面が出てくるので、それを頼りに現場で配筋し壁や柱・梁を作っていきます。

正しく配筋ができるているか確認

配筋は複雑な要素が多く、現場で一筋縄ではいかないことが多いのです……。
そのため、基本的なチェックも兼ねて、コンクリートを流し込む前に「配筋検査」を行います。

構造設計とともに現場へ行き、配筋の種類や本数、鉄筋同士が十分離れているか確認します。

実は離れ方も見るのも大事な検査項目。

流し込まれたコンクリートは鉄筋の間を満たすように広がっていきますが、この離れが規定より近すぎたり本数が多すぎたりすると、コンクリートが鉄筋を保護できず、欠陥の原因になってしまいます。

(余談ですが、まだ固まっていないグラグラとした配筋の上を歩く必要があるため、配筋検査にはかなりのバランス感覚が必要になります)

その場で図面通りにしっかりと配筋できているのか確認し、問題がなければようやくコンクリートを流し込み、RC造の完成です。

見えない部分だけどとても大事な配筋

今回は進行中の物件から、配筋検査の要図をお届けしました。

小難しいことはさておき、建築には見えないところにも努力の形跡があることを頭の片隅に置いておいてもらえるとうれしいです。

それではまた次回!