光と風が巡る都会の住まい – 66㎡のスタイリッシュな住空間へのリノベーション

2024年11月、世田谷区のマンションリノベーション工事が完了し、無事お引き渡しとなりました。今回はリノベーションの設計から完成までのプロセスをご紹介します。

お施主様からの要望

おしゃれでハイセンスな感性をお持ちのお施主様からは、主に以下の3点のご要望をいただきました。

・たくさんある洋服を換気の良い環境で収納できること
・共通のご友人を家に招き、広いLDKとベランダでパーティーができること
・明るい寝室で気持ちよく目覚められること

建物の骨格から見えてきたこと

まずは66㎡の1LDKの解体作業から開始すると、建物の骨格が見えてきました。中央には大きなPS(パイプシャフト)と躯体壁があり、空間は南北で明るさが違う、コの字型の構造でした。

北側は既存の浴室があり、小窓からわずかな採光を得る程度の暗い空間でした。

設計上の課題と解決策を探る

南側の採光を活かしたLDK配置を優先すると、寝室は北側の小窓に頼らざるを得ない状況でした。この課題に対し、お施主様へは以下のような解決策を提案しました。

室内窓による光と風の導入

ダイニングと寝室の間に大きな室内窓を設置すること。そして、ベッドスペースを室内窓に隣接させることで、LDKからの光を効率的に取り込むように工夫します。

寝室壁面には大容量の洋服収納を配置し、奥には小窓を活用した書斎コーナーを設置。
室内窓と小窓の組み合わせにより室内の通風を確保します。

機能的な収納と回遊性のある動線

キッチンは対面式で、パントリーから玄関までの回遊性のある動線にしてスムーズに生活できるようにします。

内装のデザインでは、アカシアのパーケットや躯体現しの天井など、力強い風合いのある素材感を使いながら、全体は明るい白に、建具の枠は黒にと、メリハリをつけました。
住まい手のお二人の印象に合う内装をイメージしながら設計を進めました。

このプロジェクトでは、限られた面積の中で光と風、動線の計画を行い、都会的でスタイリッシュな住空間が実現できました。