細長い空間を味方につける – 築50年の集合住宅が蘇りました

前回の記事はこちら「“KITI”づくり~【マンションリノベ編】うなぎの寝床に光を引き込む~」

ついに完成!東京・堀ノ内の築50年集合住宅リノベーション。「うなぎの寝床」と呼ばれる細長い68.58㎡の住まいが、光の通り抜ける開放的な空間に生まれ変わりました。
プロカメラマンによる撮影や家具搬入はこれからですが、まずはスタッフ撮影の写真で驚くべき変貌をご覧ください。

「うなぎの寝床」から広がる可能性

堀ノ内の築50年の集合住宅。間口が狭く奥行きが深い「うなぎの寝床」と呼ばれる間取りは、リノベーションの大きな課題でした。

今回はこの制約を逆手にとって、奥へ奥へと連続する空間を創出しました。

水回りの扉が奥へと反復するリズム、それに呼応するように配置したミラー照明。
これらが空間に奥行きと一体感を与え、視覚的な楽しさを演出しています。

建具の細部にも実はこだわりが……。詳細は過去記事「建具で魅せる住まいのアップデート~KITIのデザイン哲学~」をご覧ください。

光を導く、壁のない空間デザイン

リノベーションの核となったのは、水回り(洗面室・浴室・トイレ)を壁に寄せて並べる間取りの構成です。

一番奥まで歩みを進めると、透明なガラス引き戸で隔てられた寝室とリビングへ。

完全な壁を作らないことで、バルコニー側の明るい光がLDKまで広がります。

境界面は斜めにすることで、寝室の広さを確保。

斜めにすることで、光をまっすぐLDK側に届ける意味合いもあります。

仕事もくつろぎも。気分で選ぶ暮らしの舞台

在宅ワークが多い住み手のニーズに応え、家全体をフレキシブルな作業空間となるよう設計。
書斎での執筆作業、リビングでの打ち合わせ、寝室での読書や映画鑑賞……と気分に合わせて居場所を選びながらお過ごしいただけます。

造作のアイランド型調理台はダイニングテーブルの奥行きに合わせ、合計3m超の作業台として使えるように。日常の調理から、仕事の打ち合わせまでカバーできます。

リノベーションが叶えた新しい暮らし

築50年の「うなぎの寝所」と呼ばれたマンションの一室。
光を取り込み、限られた空間を最大限に活用することで、生まれ変わりました。

既存の間取りの制約を逆手にとり、柔軟な空間づくりができたのはリノベーションならでは。このプロジェクトを通じて、既存住宅の持つ潜在的な可能性を引き出すリノベーショ
ンの魅力を改めて実感しました。

プロカメラマンによる撮影や家具搬入後の姿を、私たちスタッフも心から楽しみにしています。