大通り沿いに建つ大規模マンションの最上階に位置する、約40㎡の物件をリノベーションしました。今回はその過程をご紹介します。
この物件は用途地域の境界線上に位置しており、大通り側には大きなマンションが立ち並ぶ一方で、路地に一歩入ると小規模な建物が点在する場所にあります。
部屋からは地域のさまざまな表情を一望することができ、お施主様はこの眺望に魅了され購入を決断されました。
大開口を実現するリノベーション
解体前のお部屋
リノベーションにあたっては、既存の間仕切りをすべて撤去しワンルーム化を計画しました。
解体後のお部屋
解体工事では、キッチンや水回りのスペースを一新し、新たな空間構成を目指しました。
職住一体の空間構成
お施主様の生活スタイルである「職住一体」を採り入れたリノベーション計画では、ベッドの近くにデスクスペースを設置。
さらに4人掛けの大きなダイニングテーブルも配置することで、そのときの気分や状況に応じて仕事場所を選択できる柔軟な空間としました。
水回りを集約させ効率化
キッチンはL型レイアウトを採用しました。個室としてはサニタリーと浴室のみとし、現場解体後に正確に測量し、サニタリーとトイレを一体化。浴室と洗面所のスペースを最大限確保しました。
居住部分のプライバシー確保と照明計画
寝室空間は、壁と反対側の上部にH形鋼のような金物を用いた造作で仕切りを作りカーテンレールを設置。必要に応じてベッドと机を隠す工夫を施しました。
金物の上部には上向きの間接照明を取り付け、空間全体を柔らかな光で包み込む落ち着きのある雰囲気を作り出しています。
収納計画と動線
服飾関係のお仕事をされている施主様のニーズに応えるため、十分な収納スペースを確保し、玄関も広めに設計。玄関脇の壁には大きな鏡を設置し、靴を履いた状態でも脱いだ状態でも全身を確認できるようにしました。
最小限の壁の設置により大きな空間ボリュームを確保。シンプルなデザインで職と住の空間を一体的にまとめ上げた、機能的で居心地の良いリノベーション事例となりました。