私たちの暮らしは、人とのつながりや自然の光によって、より豊かなものになります。今回ご紹介する都内の戸建てリノベーションは、地域のコミュニティと光を大切にした住まいづくりの事例です。
本プロジェクトのリノベーション過程はこちらのブログをご覧ください。
光と記憶の住まい~戸建てリノベーション現場レポート~
みんなが集える大きな玄関

建物がある場所にはお施主様のご親族が近所に多く住んでおり、昔から子どもたちが路地で遊んだり、大人同士の交流があったりと、地域内での絆が深く育まれてきました。
このような路地から続くコミュニティを建物の中にも取り込み、皆さんが自然に集える空間として、広々とした玄関を設えました。日常的な交流の場としても、特別な日の集まりの場としても活躍しています。
家の中心となる光庭

この建物の象徴的な空間といえるのが光庭です。視線と光を通す造作建具、2階の細いブリッジ、既存の柱梁、各居室からの小窓、そして環境装置としての天窓など、異なる要素が混在しながらも、すべてが光庭に対して開かれ、美しく調和しています。家全体に光と風を届ける、まさに住まいの中心部といえます。
使い勝手抜群の大容量パントリースペース

玄関から直接アクセスできる便利なパントリースペース。すべての棚は収納するものに合わせて高さ調整ができる可動式となっており、土間側とフローリング側で使い分けられます。グレー色のポリランバー材を採用することで傷がつきにくく、長く愛用できます。
朝の光があふれるリビング空間

南東に面したL型のリビングダイニング空間は、家族の中心となるスペースです。朝は、小上がりとダイニング側の窓から朝日が差し込み、光庭の白塗装が陽の光を優しく反射します。
小上がりには特にこだわりがあり、畳ヘリの木材を無垢材とし、極限までスリムでスッキリとしたデザインに。また、空間の連続性を大切にするため、ソファと高さを合わせています。
関連記事
オーダーメイドの造作ソファが暮らしを変える~四谷プロジェクトに見る建築と家具の理想的な関係~
モノトーンでまとめたサニタリー

お施主様の好みを反映し、洗面スペースはグレー色を基調としたモノトーンでまとめました。シンプルながらも洗練された空間は、日々の暮らしに清々しさをもたらします。
光とプライバシーを両立させた小窓

2階の主寝室、書斎、子供部屋には、光庭側に面して小窓を設けています。ツインカーボと呼ばれる中空のアクリル材を採用することで、室内に柔らかい光を取り入れながらも、居室内への視線をやさしく遮ります。
創造性を育む書斎空間

ご主人の書斎は、幅1300mm×奥行600mmの大きな机と可動棚、洋服等をかける収納ラック、そして前面の壁一面に黒い有孔ボードを設置。さまざまなものを引っ掛けておくことができ、仕事や趣味に没頭できる理想的な空間となっています。
このリノベーションでは、地域のつながりと光を大切にした住まいづくりを実現。四谷の地に根付いた新しい暮らしが始まります。