夫婦二人のシンプルで上質な住まい~芦花公園の家~

芦花公園に完成したこのお住まいは、ご夫婦二人暮らしのためのマンションリノベーションです。ご夫婦の希望は、明るく、広がりを感じられるリビングを中心に、夫婦の寝室と最低限の収納、そして収納を兼ねたゲストルームをひと部屋確保することです。
必要なものを丁寧に選び取り、過不足のない構成で、大人のための落ち着きのある住まいを目指しました。

「広さ」をつくるための部屋の考え方

この住まいでは、既存マンションのシンプルな構造躯体を軸に、部屋の区切り方を考えています。間取りを細かく分けるのではなく、空間同士の関係性を整えることで、リビングにできるだけのびやかな広さを確保しました。

視線や空気の流れを妨げない構成としたため、実際の面積以上に開放感を感じられる住まいになっています。

ガラス間仕切りでつくる寝室の在り方

ご夫婦の寝室には、ガラス間仕切りを採用しました。個室としての落ち着きを保ちながらも、光や視線が抜け、部屋全体を広く感じられるのが特徴です。

ガラス間仕切りの一部は引き戸とし、リビング側と接続できるよう計画しています。これは、開くことで空気が一ヶ所に滞留しないようにするための工夫でもあります。
建具とガラス間仕切りの桟の寸法を揃えることで、空間全体がすっきりと、美しく見えるよう整えました。

素材を絞ることで生まれる一体感

室内は、ラワンと白壁、フローリングを基調としたシンプルな素材構成です。
ラワンでつくったボックスを設け、建具も同じラワンで揃えることで、空間に連続性と落ち着きをもたらしています。

素材を増やしすぎず、質感を揃えることで、主張しすぎない上質さを感じられる仕上がりとしました。

暮らしを整える回遊動線

玄関からウォークインクローゼット、寝室、サニタリーへとつながる回遊動線も、この住まいの特徴です。日々の身支度や片付けがスムーズに行えるよう、動線を整理し、生活の流れが自然につながるよう配慮しています。

梁を意識させない間接照明の工夫

天井には既存の梁がありますが、その存在感を和らげるため、梁際や寝室まわりに間接照明を設けました。光がやわらかく広がることで、天井全体に奥行きが生まれ、空間をより上質に感じさせます。構造を隠すのではなく、光の使い方で整えることも、この住まいづくりの大切なポイントです。

静かに長く住み続けられる家

芦花公園の家は、空間のつながり、素材の選び方、光の扱い方を丁寧に積み重ねることで、静かで、心地よい住まいに仕上がっています。

ご夫婦二人の暮らしに寄り添い、時間とともに深まっていく住まいを目指した、シンプルで上質なリノベーション事例です。

写真:貝出 翔太郎