世代を受け継ぐ③

今回、御祖母さんの住宅をリノベーションするにあたり、170㎡の住宅を
住宅:50㎡とオフィス:120㎡に用途を変更しながらリノベーションをした。
改修前は基本的に1階でしか生活をせず、2階は物置としか使えていなかった。
その為、御祖母さんの住宅では、生活環境が変わり、動線をなるべくコンパクトにして、住宅面積を整理する必要があった。

1階ではガレージも2つあったものを車は現状1台しか利用していない事から、ガレージを住宅の面積として活用した。また、1つの住宅に対して用途を2つ入れるので、エントランスを分けるのはもちろん部屋の中では生活音が干渉しないよう遮音の性能を上げながら、
用途を分割した。住宅を隣接するオフィスの部屋は応接として、人が常に滞在しない用途に配慮をした。

2Fは物置としか使われていない部屋は3つの部屋を1つにまとめて、オフィスの面積を最大化できるようにした。壁を解体する時も構造補強を行いながら、改修していき建物の性能は維持する改修をした。また、構造が木造のパネル工法の為、窓の位置の変更は行わず、
既存の窓を活かしながらオフィスのレイアウトも設計した。

オフィスの設計ではオペレーションを第一に考慮し、社長室はオフィス全体を見渡せる位置に配置し、現場の行き来が多い現場班長を執務室より手前に配置した。
なるべく、部屋と部屋の間には間仕切りを設けずに、部署が違う社員たちが見えるように
デスクを配置し、お互いが干渉しすぎない位置にレイアウトを行った。

社長室は社員の動線に配置することで、社員の働き方や雰囲気を可視化できるようにも試みた。
普段仕事で関わらない社長と顔を合わせたり、声を掛けてもらえるだけでも仕事のモチベーションに繋がり、社内全体の雰囲気に影響していく。

老後に備えた生活環境を整えるだけではなく、施主の事業を整えることも同時に設計することで、事業拡大に備えた、ステップアップをすることに成功した。