“KITI”づくり~【店舗設計の現場から】「アナグマ」のオープンに向けた取り組み~

今回のテーマは店舗工事の様子について。

弊社にて設計・施工中の、ナチュラルワイン酒場『アナグマ』さんの設計の風景をおとどけします。

ふらっと気軽に入れるお店を目指して

このプロジェクト、実は1年以上前から動いており、物件探しでしばらく難航しておりましたが……
ついに条件の合う店舗物件を発見!
開店へ向けて急ピッチで打ち合わせを進めていきます。

まず店主さんから要望としてあったのが『肩肘張らずに気軽に入りやすいお店』でした。
美味しいフレンチとナチュラルワインを楽しめるが、敷居が低く、カジュアルに通える、そんなお店です。

物件購入時の店舗の内装は、大きなカウンターテーブルが特徴的で、ゆったり&おこもり感のある内装でした。
これらのイメージをガラッと変えて、デイリーなナチュラルワイン酒場「アナグマ」に変身させます!

モールテックスで空間にアクセント

既存の天板の上から「モールテックス」という左官材料を塗り、素材感による空間のアクセントを作ります。
モールテックスの特徴は、撥水性があり清掃性が高いこと。
モルタルと同じ素材感をもちつつも、薄塗ができ、かつ割れにくい優れモノです。

ワンオペレーションに対応した設計

店主さんのワンオペレーションですので、カウンターを中心にした座席の構成をそのまま生かすことにしました。

内装で意識したのは、厨房に対して常にお客さんの顔が向くようにし、オーダーから提供までスムーズに行えること。
厨房から背面のテーブル席への見渡しがとれるよう、間仕切り壁の一部を撤去し、カウンターの端部には丸テーブルをつなげました。

背後のテーブル席は造作で作成しますが、木製ベニヤを複数種類混ぜながら、キメすぎないカジュアルな印象に仕上げます。
組立方法もできるだけ簡易にし、コスト面でも簡易さを追求しています。

店舗の顔になるファサード

物件購入時はコーナーウィンドウが印象的ですが、アルミサッシの幅が大きく、ガチャっとした印象を受けました。
店舗のファサードデザインは集客に重要な役割を果たすので、ここをどうつくるかは重要なポイントです。

こちらが、我々が店主さんにご提案したファサードのイメージです。

コーナーウィンドウの下の腰壁をサッシ枠に覆いかぶさるように立ち上げ、表面はモルタル仕上げに。
腰壁からカウンターまで、グレーの素材でゆるやかにつなげます。
外部と内部が素材でつながり、外を歩いた人が、看板から連続して店の中まで視線がいくような効果を期待しています。

右側の自動扉もスチール製のサッシに交換。
透明感がありつつもスタイリッシュになりすぎない枠や手すりのデザインを検討しました。

このパースはまだ検討段階のものですので、完成をお楽しみに!

店主さんも絶賛の店舗サイン

内装の設計と並行して、店舗サインの計画も始まります。

今回サインをお願いしたのは弊社事務所のロゴなどもお願いしている小野さん。
いつも短い時間で素晴らしいデザインをたくさん提案していただいています。

今回は店名にもなっている『アナグマ』がテーマ。

店主さんのイメージとしては「アナグマの絵で、ワインの店だとわかるようワイングラスをもたせたい。タッチは手書きのラフな印象で、白黒でポップな感じ、かわいらしい感じを出したい」とのこと。

事前にイメージのすり合わせを重ね、小野さんからのご提案いただいた案が下の写真です。

実際の仕様風景のコラージュ写真も作ってくださり、開店後の風景が目に浮かびます。

このデザインには店主さんも大満足で、120点をいただきました!(笑)

5月の開店を目指し、工事がどんどん進んでいますので、その様子もまたお伝えしていこうと思います。
それではまた次回。