前回の記事はこちら「“KITI”づくり~【アナグマの店舗施工レポート】解体と内装工事の工夫~」
引き続き、弊社が担当している『アナグマ』さんの施工風景の中から、ファサードの様子をお届けします。
こちらがファサードの全体の様子。
内装の進行から間もなくしてファサードも形ができてきています。
“埋まる”ロゴプレート
ロゴプレートの製作ひとつにもしっかりとこだわっています。
このロゴはアナグマが土を掘って巣をつくるという性質を参考にし、アナグマの穴掘り迷路を文字にしたものです。
黒い部分が土に見立てられて、アナグマが文字を掘りぬいて見えるようになっています。
最初と最後の「a」の部分が地面の入口とつながっていたり、「g」の部分にアナグマがいたりと、サインデザイナーさんの遊び心が詰まっています。
このコンセプトが生きるように、我々もデザインをひと工夫しました。
まずロゴ本体は、鉄のプレートをくり抜き加工して作成しています。
このプレートを壁から少し浮かせて取り付けるのが、よくあるサインプレートの設置方法ですが、今回我々は、このプレートが壁の表面ピッタリに埋め込まれるようにデザインしています。
埋め込みの位置を、モルタルの壁の上端ピッタリの位置に寄せることで、モルタルの上面が地平線になり、その下をアナグマが掘っているように見える。
それが狙いです。
なかなかキュートな仕上がりになりました。
(プレートが手前に飛び出てこないことで、シャッターとの干渉も防いでいて一石二鳥という裏話もあります。)
こちらがモルタル左官前のロゴプレートの設置風景です。
埋め込むといっても、モルタルの上にプレートをぎゅっと押し込むことはしません。
それとは逆の順番で、先にロゴプレートを取り付け、あとからモルタルをプレートの周りと文字の堀り穴に塗り込んでいくことで、結果的に埋め込まれたようにみせています。
看板職人さんと左官職人さんの丁寧な仕事に感謝です。
切り欠きもデザインのひとつに変える工夫
ファサードをよく見ると、角には角丸にくり抜かれた凹みがあります。
これもアナグマの巣をイメージしました。
…というのは半分嘘で、シャッターを開け閉めしやすくするためのスペースです。
ここに切り欠きをつくることがネガティブな見え方にならないよう、角にアールをとることで「アナグマの巣」を思わせるデザインにしています。
(アールの角の下地の型どりはスタッフのお手製です!)
ただ機能性を持たせるだけで終わらず、コンセプトと結びつけるひと工夫を忘れません。
アナグマも完成間近!
あとは扉が付き、マークと照明を設置すればファサードは完成!
カッティングシートの設置風景をチラ見せしますが…完成風景は次回以降のお楽しみに。