前回のお話はこちら「KITI創業物語#03建築の舞台裏を知る」
建築やリノベーションの世界に携わりたい。
その夢を実現するために、ファーストキャリアでモノづくりに携わる現場監督を、
セカンドキャリアでプロジェクトのスタート部分である不動産業界を経験した私。
しかし不動産から建築までワンストップで対応するKITIを組織するには、この時点ではまだ足りないピースがあります。
それが「設計」と「経営」に関する知識です。
「設計」のピースを埋める妻との出会い
――自分で設計した部屋を賃貸に出したら、どれくらいで貸せる?
当時働いていた不動産会社に訪ねてきたのが、なんと今の私の妻。
最初は「いくらで貸せるか?」の相談でしたが、妻が設計したリノベーション工事にも携わることに。
「設計」は設計士である妻が行い、「施工」を私が担当することになりました。
協力体制で手がけたこの物件は、無事に想定賃料で空室を埋めることに成功!
その後も空室がでるたびにリノベーションを繰り返し、いつしか公私ともに欠かせないパートナーに……
妻は私に足りない「設計」という業務を補ってくれる大きな要となり、創業の大きな支えとなりました。
もう一つの重要なピースは「経営」
もう一つ、KITIを運営していくために重大な出来事がありました。
それは、働いていた不動産会社で、代表取締役に抜擢されたことです。
結論から言うと、経営者として過ごした日々はかなり過酷なものでした。
がむしゃらに走り抜けて、過去最高利益を出した1年目。
さらなる拡大に向けて、大きく前進しようとした2年目に直面したのが、コロナ。
これまでの常識が崩れ、徐々に開く上層部同士の価値観のズレ、最初は、些細なズレが段々と譲れないズレとなり、
最後まで価値観のズレは埋められず非常に苦しんだのです。
この経験があったからこそ、自分を磨き、今の会社、そして私自身を支える価値観を作る事が出来たのだと思っています。
また経営の苦しさやお金の怖さ、組織運営の難しさ……
人との対話を学んだ時期でもあり、今の私を形作る大切な経験であり、とても感謝している経験となりました。
アフターコロナの今、働き方が多様化する時代だからこそ、価値観を合わせて一致団結できる組織が、今後も成長していく会社なのだと身に染みて感じています。
いざ、ワンストップサービスで創業!
今ある建築の多くは、画一化されたもの。
しかし今後はファッションを選ぶように、住まいも自分らしいオーダーメイドを希望する人が増えると思っています。
住み手が土地も建物も、内装、家具、家電、食器、ラグもすべて自分らしく選ぶ。
そんなオーダーメイドの空間づくりをするために必要なのが、「①カタにハマらないデザイン性、②施工とデザインを踏まえた専門性、③小回り」の三要素です。
それらを踏まえたサービスを提供出来る会社を実現するために生まれたのが、株式会社KITI。
オーダーメイドの住まいを叶える「アトリエ系建築事務所」でありながら、不動産・設計・施工とワンストップで自社対応できる会社です。
今まで私と妻が培ってきた経験をすべて提供して、一人でも多くの方に豊かな人生を送ってもらいたいと思っています。
私にとっての起業は、終活
私の母も後期高齢者になり、過去の写真を整理する姿を見るようになりました。
いつか私もあのように過去を振り返り、
すっきりした表情でいられるだろうか?
いや、今のままでは、笑って終われない。
起業という道に飛び出したのは、そのような想いもあったからです。
全力で生きてきたことを、
後悔なく振り返ることのできる人生にしたい。
だから私は残りの人生、KITIのお客様と仲間たちのために全力で仕事に向き合っていきます。