光がつなぐ空間の美しさ— 戸建てリノベのブリッジに仕込んだ間接照明のデザイン

先日完成した戸建てのリノベーションから、今回はブリッジ空間に設置した間接照明の設計についてご紹介します。

歩くだけの通路だった場所にやさしい光をそっと浮かび上がらせることで、空間全体に静かな存在感が生まれました。建築のラインを引き立てながら、照明のやわらかな光が空間にどんな変化をもたらしたのか、施工の工夫や素材選びとあわせてお伝えします。

リノベーションの過程とガラスのブリッジについてはこちらのブログもご覧ください。

光と記憶の住まい~戸建てリノベーション現場レポート~

光と記憶の住まい~戸建てリノベーション~【完成編】

民家に光と風を通すガラスのブリッジ~光と記憶の住まい~戸建てリノベーション~

建築の魅力を引き立てる間接照明の工夫

このリノベーションプロジェクトでは、ブリッジエリアに間接照明を取り入れることで、ただの通路を視覚的に魅力ある空間へと変えました。丁寧に計算した照明計画により、実用性だけでなく空間としての美しさも際立たせています。

床面に沿った照明で空間に浮遊感を

間接照明はブリッジの両側にある床面のラインに沿って配置し、照明器具自体は目立たないよう工夫しました。これによって、あたかも通路がふわりと浮かんでいるような演出に。また、床面とのラインをぴったり揃えることで空間全体に統一感が生まれブリッジの美しさを一層引き立てています。

上下に広がる光が心地よさと安心感を演出

この照明デザインの大きなポイントは光が上下の両方向に広がることです。床面だけでなく壁面にもやわらかな光を届けることで、足元を安全に照らしながら空間に奥行きと動きを加えています。素材の質感も美しく浮かび上がり、ブリッジ全体をより魅力的に感じさせてくれます。

やさしく光を広げる半透明のパネル

直接的な強い光ではなく、やわらかく温かみのある雰囲気を出すために、乳白色のアクリルパネルを使用しました。この半透明パネルが光をやさしく分散させ、まぶしさを抑えつつ、木の質感を美しく引き立ててくれます。上の比較写真は左側が乳白色のアクリルを入れた状態、そして右側は入れていない状態です。全体の印象がぐっと柔らかくなっているのがお分かりいただけるでしょう。

デザインと光の広がりの両立

この照明は、まずブリッジ側面にベース構造を設置し、そこに照明器具を取り付けた後、金属フレームでしっかりと固定。その上から半透明のアクリルパネルを取り付けることで、見た目の美しさと光の広がり、両方を実現させました。

今回、間接照明を設置することでデザイン性と安全性を両立しながらも空間に溶け込むようなブリッジとなりました。