前回のお話はこちら「KITI創業物語#01湯沢先生と大昔ごっこ」
湯沢先生との出会いで、建築の世界に興味をもった私。数学が苦手で建築学科には受からず、文系の大学に通っていましたが、どうしても建築の道を諦めきれず……。夜間にダブルスクールで建築の専門学校へ通っていました。
そして迎えた、就職活動。
――どんな仕事をすれば、「自分の志」と「これからの世界」をうまく繋ぐことができるんだろうか?
真剣に考えますが、なかなか答えはでません。
そんなときに出会ったのが、裏原宿にある『カフェ・オー・ゴーゴー』でした。
裏原宿のツリーハウスカフェとの出会い
カフェ・オ・ゴーゴーは、築40年の木造アパートをリノベーションしたツリーハウスカフェ。ツリーハウスビルダーの小林崇氏が経営されていました。
建物の目の前にそびえ立つ、高さ約10メートルのヒマラヤ杉の木。その木を囲むように建物を増築して、ツリーハウスカフェになっているという斬新なつくりです。
その建物を見たとき、私はビビビッと稲妻が走るように「あのときの原風景」を思い出しました。そうです、小学生のときに湯沢先生や友達とつくった、あのツリーハウスです。
――これだ!私がやりたかったのは!
建物を自然と融合させること。
古いものをリバリューすること。
それを、みんなの集まる場所にすること。
自分のやりたいことが具現化されたカフェが目の前に現れて、自分の仕事の方向性に決着がついた瞬間でした。
スクラップ&ビルドから脱却する時代へ
スクラップ&ビルド。建築物を建てては壊し、建てては壊し……を繰り返すこと。これは戦後の日本で長らく続いてきた慣習です。
しかし、これからはスクラップ&ビルドから脱却する時代がやってきます。
既存住宅に付加価値をもたせる。
デザイン的にも機能的にも向上させる。
内装環境は、新しい技術で高める。
構造は、リバリューして使い続ける。
それを可能にするのが、日本の建築技術の目覚ましい発展です。私たちKITIは「リノベーション」という手法で、建築と向き合っていきたいと思っています。
つづきはこちら「KITI創業物語#03ユーザーファーストへの想い」